Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2008-01-01から1年間の記事一覧

藤巻 健史 『マネーはこう動く 知識ゼロでわかる実践・経済学』

旧モルガン銀行「伝説のディーラー」藤巻健史さんの一般向け単行本、2007年発行。 「マネーの動き」を切り口に、日銀の金融政策や為替・株のマーケットの動き、日本経済・世界経済を分かりやすい言葉で解説していきます。 藤巻さんは円安論者で知られていま…

竹内 一正 『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』

アップル社の創業者にして現CEO・スティーブ・ジョブズ氏についての人物評伝。著者の竹内氏は、アップル社に在籍していた現役の経営コンサルタント。 会社の先輩がたまたま持っていた本を借りて、帰りのバスのなかでさくっと読了。 ジョブズ氏の名前は、今を…

司馬 遼太郎 『竜馬がゆく』

去年途中まで読んでほったらかしにしていた『竜馬がゆく』、文春文庫全8巻。今週末ごろごろしていた間に一気に読了。 世間一般に形作られた坂本竜馬のイメージは、1960年代に司馬遼太郎が世に出したこの小説がおおむね基になっています。 司馬遼太郎は、彼…

サイモン・シン 『フェルマーの最終定理』

もとBBCの科学ジャーナリスト、サイモン・シンによる「フェルマーの最終定理」をめぐる、3世紀以上におよぶ数学者達の歩みと苦闘を描いたノンフィクション。 「新潮文庫の100冊フェア」に惹かれて購入した新潮文庫のうちの一冊。あまりの面白さに、寝るのも…

HNKスペシャル「ワーキングプア」取材班 『ワーキングプア 日本を蝕む病』

ワーキングプア。この言葉がメディアで頻繁に取り上げられるようになったのはいつ頃からでしょうか。2006年に二度にわたってこの問題を取り上げ、高い評価を得たNHKスペシャル取材班によって、2007年に書き下ろされた本。思わず書店で手に取ってしまいました…

鮒谷 周史 『仕事は、かけ算。20倍速で、自分を成長させる』

会社の同期におススメされた本で、先週ぐうぜん本屋で見つけて購入。 「失業から3年、3社経営、収入20倍」のキャッチコピー。米大手通信ワールドコム経営破たん後に独立、ネット広告代理店など数社を経営する著者が実践するビジネススキルが、4ページご…

金子 勝、高端 正幸 編著 『地域切り捨て 生きていけない現実』

新自由主義への批判で知られる経済学者・金子先生と高端先生、そして地域の問題を取材し続けてきた気鋭のジャーナリストたちによるルポルタージュ8編。なんとも刺激的なタイトル。 地域格差、所得格差の問題が言われて久しいが、実際に地方の現場で何が起き…

吉村 昭 『高熱隧道』

最近、吉村文学に文字通りはまっています。明治~昭和期の想像を絶する男達の生き様に、時間を忘れて一気に読み進んでしまいます。 この本は、昭和11年~15年の黒部第三発電所建設のための難工事を題材にしたフィクションです。当時の富山で一般人の立ち入り…

アラン・ワイズマン 『人類が消えた世界』

TIME誌とAmazonで2007年ベストノンフィクションに選ばれた、「人類が感染症等によって突然絶滅したと仮定し、人類が消えた世界をシミュレーション」する環境読本。 作者は、コロンビアの「地球最大規模のエコ実験」と呼ばれるコロンビアの自給自足集落「ガビ…

鈴木 正俊 『経済データの読み方 新版』

仕事がら、経済・財政・金融の勉強を続けているのですが、先日なにげに本屋でさっと手に取ったこの新書。読みやすい! 著者があとがきで記すように、「最新の主要な経済データの読み方を解説しながら、『失われた15年』以後の日本経済の全体像を描くことを試…

吉村 昭 『破獄』

先週末に北海道のドライブ中に、とある道の駅で見かけた「網走監獄」のパンフレット。結局網走には行かなかったのですが、東京に戻ってきた後に読んだのがこの小説。読み始めると止まらず、一気に最後まで読み進んでしまいました。 「昭和の脱獄王」と呼ばれ…

高橋 洋一 『さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白』

東大で数学を専攻、プリンストン大学で金融政策を学び、財務省理財局では財投(財政投融資)改革に取り組んだ異色の元キャリア官僚、高橋さんの自伝形式のエッセイ。 同氏は竹中慶大教授と親しかったことから、同教授が小泉内閣に入閣した際に経済財政諮問会…

パコ・イグナシオ・タイボⅡ ほか 『ゲバラ コンゴ戦記 1965』

あまりにも有名なキューバ革命の英雄、チェ・ゲバラ。彼が死の2年前、たった1年弱アフリカの奥地で戦線に参加していたことをご存知でしょうか。 自分もうっすらと知ってはいたのですが、会社の先輩に最近教えられるまで、彼が滞在したアフリカの奥地がコンゴ…

高橋 克徳 ほか 『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』

ギスギスした、不機嫌な職場-上司や同僚とのコミュニケーションが希薄で、どこかよそよそしい。社員がそれぞれの職務だけに専念し、忙しそうな人に声をかけることができない。「タコツボ」化してしまった現代の職場の「なぜ?」と「どうすれば良いのか?」…

井上 靖 『蒼き狼』

井上靖の小説を最近読み始めました。 今回読んだ『蒼き狼』。冗長な情景や心理描写はなく、主人公であるチンギス・ハーンの行動と思考の変遷を淡々と並べる構成。小気味よいテンポで、13世紀のモンゴル高原が生んだ世紀の英雄/征服者の生涯を描きます。 ま…

J・K・ローリング 『Harry Potter and the Deathly Hallows』

あまりにも有名なシリーズの最終巻。ようやく読み終えました。半年前に半分くらい読んでほったらかしにしていたのを、週末二日酔いでごろごろしている間に一気に読了。率直な感想↓ 1.登場人物死にすぎ。 2.エピローグのハリーの子供のネーミングが絶妙。…

新書マップ編集部編著 『3時間で読める!ビジネス新書900冊』

2004年にスタートしいまや1万冊以上の新書をカバーするWEBサイト「新書マップ」編集部による、ビジネスマン向けの新書ガイド。 前半で石油や地球温暖化といった「旬のテーマを理解するための新書」、後半で企業統治や経済学といった「ビジネスマンにとって重…

臼井 宥文 『ニュー・リッチの世界』

日本の富裕層に特化したマーケティング会社経営で知られる臼井氏の1年半前の著作。日本で台頭してきたニュー・リッチ、新・富裕層の生活と消費性向の実態を、氏の実体験をもとに描く。 本書の中で描かれる富裕層の消費性向の具体例-セキュリティつきの麻布…

本山 美彦 『金融権力 グローバル経済とリスク・ビジネス』

行き過ぎた資本自由主義・投機金融に対する批判で知られる京大名誉教授・本山氏の新著。岩波新書の新赤版。 サブプライムローン問題とは何なのか、現代の金融市場は誰によって動かされているのか、金融の本来の意義は何なのか。今、市場の何がおかしくて、こ…

吉村 昭 『熊嵐』

一昨年に没した大作家・吉村さんが、大正4年に北海道手塩山麓の開拓村を恐怖の渦に巻き込んだ「日本獣害史上最大の惨事」を元に描き、1977年に発表したドキュメンタリー小説。 230ページほどの文庫本で、短時間で読めます。アマゾンの紹介コーナーで…

日本経済新聞社 編 『されど成長』

日本経済新聞の2006年から続いた長期連載「成長を考える」の単行本化。単行本化にあたって、タイトルが『されど成長』となっていることからも分かるように、昨今の格差問題・市場重視の風潮に「疲れた」日本人に経済成長の重要性について改めて認識する…

森田 まさのり 『ROOKIES』

90年代後半の少年ジャンプ連載時代にリアルタイムで読んでいて、同誌のなかで毎週楽しみにしていたマンガのひとつ。いまどきありえない熱血漢の国語教師・川藤を中心に、不良の掃き溜めとなっていた二子玉川学園高校野球部が、たった2名からの復活、10…

中島 孝志 『20代にやっておくべきこと』

単行本の発行は1996年と少々古い本だが、2003年に文庫化されており、タイトルに引かれて先日購 入。若年層のホワイトカラーを取り巻く環境は急速に変化しているとはいえ、この本のエッセンスはまだ まだ生きていると思う。 例によって印象に残ったポイントを…

野村 克也 『野村の「眼」 弱者の戦い』

「ボヤキの達人」として再度注目を集めている野村克也・楽天東北ゴールデンイーグルス監督の新著。50年間にわたる自身の現役、評論家、ヤクルト・阪神・楽天、そしてシダックスの監督生活を通じた野球経験を振り返る自伝形式のエッセイ。 野村監督の本は、…

北尾 吉孝 『何のために働くのか』

売買代金シェアで国内最大手・野村證券をあっという間に追い抜いたネット証券会社の筆頭、SBIイートレード証券を傘下に持つSBIホールディングスの社長、北尾さんによる人生訓。 母校の大学で、学生向けに「働くこと」というテーマでのスピーカーを頼ま…

ミルトン・フリードマン 『資本主義と自由』

経済自由主義の泰斗、ノーベル賞受賞の経済学者ミルトン・フリードマンの著書。資本主義と自由(政 治的自由と経済的自由)の関係について、自由主義の立場から経済における政府の役割がいかにあるべき か、学術書ではなく、一般市民向けに分かりやすい言葉…

松井 秀喜 『不動心』

現代日本最高の長打者・松井秀喜、初の自著エッセイ。まとまった目次があるわけではありませんが、星陵高校での5打席連続敬遠時代から松井を見続けてきた自分にとっては興味深いポイントが多々。以下抜粋。 ・自分の会社や仕事に誇りを持っている人のほうが…

山本 直治 『実は悲惨な公務員』

文部省のキャリア官僚を経て退職、公務員向けの転職支援情報サイトを日本で始めて開設したことで知られる人材紹介コンサルタント・山本さんの新著。おもわずタイトル買い。自分も公務員だし・・ 1.給与・福利厚生 2.天下り問題 3.勤務実態 4.コスト…

赤峰 勝人 『ニンジンから宇宙へ』

完全無農薬・化学肥料をまったく使わない有機農法を20年かけて実践・完成させ、「循環農法」の草分けとして知られる大分県の「百姓」赤峰さんの、日本の食と農についてのメッセージをまとめた本。 先日、吉祥寺にある農園のワークショップに参加したときに…

山口 絵里子 『裸でも生きる 25歳女性起業家の号泣戦記』

ご無沙汰してしまいました。仕事で大きな案件が終わったので、これからガシガシ再開していきます。 再開第一冊目は、メイド・イン・バングラデシュのバッグ製作・販売会社「マザーハウス」社長・山口さんのエッセイ。10代の一念発起からはじまり、苦労を重…