Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2018-01-01から1年間の記事一覧

ブラッドレー・マーティン 『北朝鮮「偉大な愛」の幻』

米国人ジャーナリストのマーティン氏が、文献調査や現地取材、亡命者からの聞き取りによって、北朝鮮の内実を解き明かす本。 時系列でいうと、金日成の生い立ちからから建国、金正日への権限委譲、金正日によって軍事独裁国家になるまでの北朝鮮を描く。執筆…

イアン・エアーズ 『その数学が戦略を決める』

計量経済学者のエアーズ氏(イェール大学)が、「絶対計算」(ビッグデータの分析)が現実社会の意思決定にもたらしつつある影響を分かりやすく解説した本。 本書は2つのまとまりに大きく分かれており、前半は回帰分析と無作為抽出テストの手法の解説、それ…

伊藤 公一朗 『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

計量経済学者の伊藤氏(シカゴ大学)が、ランダム化比較実験等のデータ分析手法を解説した新書。 最近、仕事の中でデータを集めたり分析したりすることが多かったので、書店で目に入ったときに思わず購入。平易でわかりやすく、事例も豊富な良書。著者のご年…

深田 祐介 『神鷲商人』

戦後の対インドネシア賠償利権をめぐって画策する商社と、それに巻き込まれた女性(デヴィ夫人がモデル)の数奇な半生を描いた小説。 巻末の対談集によれば、著者の深田氏の幼友達が商社でインドネシア賠償に深く関わっていたことをきっかけに、本書の執筆が…

浅田 次郎 『蒼穹の昴』

中国の清朝末期を舞台として、自らの天命に抗って生きた義兄弟の半生を描いた、浅田次郎氏のベストセラー小説。 学生時代に一度読んだが、懐かしくなって再度手にとってみた。浅田氏は巷で「平成の泣かせ屋」と呼ばれているらしいが、たしかに名場面の数々で…

濱田 健司 『農福連携の「里マチ」づくり』

JA共済総合研究所の濱田氏が、「農福連携」の仕組みと事例を解説した本。 とある地方部の自治体の方から「農福連携」という言葉を聞いて、調べてみようと思って手にとったのがこの本。写真や図表も多数入っていて、分かりやすい構成になっている。 「農福連…

藻谷 浩介、NHK広島取材班 『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』

NHK広島取材班と『デフレの正体』の藻谷氏が、マネー資本主義に替わる処方箋の提示を試みた新書。 「里山資本主義」は、NHK広島取材班が編み出した造語。取材班の井上氏は、以前本ブログでも紹介した「マネー資本主義」の番組を手がけており、金融が実体経済…

加藤 洋輝・桜井 駿 『決定版 FinTech 金融革命の全貌』

NTTデータ研究所の加藤氏・桜井氏が、IT技術を駆使した新たな金融サービス(フィンテック)を概説した本。 フィンテックの入門書はこの本以外にもたくさん出ているが、構成が分かりやすそうなだったので手にとってみた。読んだのは少し前だが、備忘録として…

栗田 匡相 ほか 編著 『日本の国際開発援助事業』

日本の国際開発援助(ODA)事業の現状と展望について、研究者による複数の論考をまとめた本。2012年まで行われた関西学院大学産業研究所の共同研究の成果をまとめたもの。 1.理論・背景(全体、アジア、アフリカ)、2.ハード・インフラ(エネルギー、水…

池上直己、J.C.キャンベル 『日本の医療 統制とバランス感覚』

日米の医療政策の研究者が、日本の医療制度と政策過程を解説した新書。 日本の社会インフラについて勉強している関係で、会社の同僚から薦められて読了。当時の米国で、医療改革の参考として日本の医療制度を紹介するために企画されたプロジェクトの成果との…