Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

山下 一仁 『農業ビッグバンの経済学 真の食料安全保障のために』

元農水官僚の山下氏が、既存の農政の問題点を指摘、減反廃止や一定規模の主業農家支援を軸とした構造改革の方向性を示した本。 本書の主張は、冒頭に記載されているこの一文に集約される: 「減反(生産調整)を段階的に廃止して米価を下げれば、コストの高…

柴田 明夫 『コメ国富論 攻めの農業が日本を甦らせる!』

丸紅経済研究所の柴田氏が、コメの大増産、そのための農政の転換の必要性を訴える本。 同氏は、主に逼迫する世界の穀物需給、コメ農家の後継者不足、耕作放棄地の増加などを背景として、食糧自給率の増加、つまりコメの「大増産」は、待ったなしの課題である…

財部 誠一 『農業が日本を救う こうすれば21世紀最大の成長産業になる』

経済ジャーナリストの財部氏が、生産・流通の先進事例への取材を通じ、日本農業のポテンシャルとあるべき方向性を論じた本。 同氏は本書で、消費者の視点をもって優れた農業ビジネスを展開している経営者や主業農家に着目、彼らがより容易に農地を借りられる…

暉峻 衆三 編 『日本の農業150年 1850~2000年』

農業経済学者の暉峻氏をはじめとする学識者グループが、日本の過去150年の農業史を概説した本。 本書に沿って、各々の時代の農業の特徴を大まかに要約すると、以下のようになる。 1 明治初期:租改正と秩禄処分を通じた旧領主階級の解体、その後の松方デフ…

石川 拓治 『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』

ジャーナリストの石川氏による、青森県の農家・木村秋則氏が無農薬・無施肥でのリンゴ栽培に成功するまでの半生を描いたノンフィクション。 この本を最初に読んだのは今から5年ほど前だが、今回ふとした機会に改めて読んでみた。いまや木村氏とそのリンゴの…

服部 正也 『援助する国される国:アフリカが成長するために』

『ルワンダ中央銀行総裁日記』で知られる元ルワンダ中央銀行総裁、元世界銀行副総裁の服部氏による、アフリカや開発援助についての論考集。 本書は、服部氏の没後に有志が散逸した同氏の論考をまとめたものであり、各編どうしのつながりがやや弱く、個別の主…

池上 彰「池上彰のアフリカビジネス入門」

池上氏が日経BP社・JICAの企画でアフリカ諸国を往訪、取材した際の記録。 「アフリカビジネス入門」と銘打ってはいるが、じつは大半がJICA事業の紹介。とはいえ主に経済面でのアフリカの現状を分かりやすく知るうえで優れた入門書にもなっている。池上氏の語…