Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

平野 克己 『経済大陸アフリカ 資源、食糧問題から開発政策まで』

『アフリカ問題 開発と援助の世界史』などで知られるアジア経済研究所の平野氏が、現在のアフリカ経済の概況について分かり易くまとめた新書。 アフリカに対する世界からのポジティブな視線は近年とみに顕著であり、2013年に入って英エコノミスト誌は「希望…

緒方 貞子 『紛争と難民 緒方貞子の回想』

1991年から2002年まで国連難民高等弁務官を務めた緒方氏による在任当時の回顧録。イラク北部、バルカン、アフリカ大湖地域、アフガンの4地域に焦点をあて、人道問題の課題と展望を分析する。 冷戦終結後、世界各地で数多く勃発した人道危機に対応すべく、緒…

ジャクリーン・ノヴォグラッツ 『ブルー・セーター』

社会起業家への投資を通じて貧困問題に取り組むアキュメン・ファンドの創立者で現CEOのノヴォグラッツ氏が、「市場と慈善の中間」という現在のアプローチに至るまでの半生を綴った自伝。 アキュメン・ファンドは、公衆衛生、農業、給水といった分野において…

A・V・バナジー、E・デュフロ 『貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える』

MIT教授のバナジー氏とデュフロ氏が、ランダム化比較実験(RCT)と呼ばれる研究手法をもとに、貧困者の生活行動やインセンティブの観点から、貧困削減についての新たな処方箋を提示しようとする本。 本書の主張は、「開発援助か市場メカニズムか」といったサ…

カトゥリ・メリカリオ 『平和構築の仕事 アハティサーリとアチェ和平交渉』

フィンランド人ジャーナリストのメリカリオ氏が、2005年合意に至るまでのアチェ和平交渉と、その中で仲介役のアハティサーリ・前フィンランド大統領が果たした役割を描いたノンフィクション。 1976年の創設以来、自由アチェ運動(GAM)は30年近くに渡って独…

鈴木 裕之 『ストリートの歌 現代アフリカの若者文化』

文化人類学者の鈴木氏が、コートジボワール・アビジャンのストリートで見られる若者文化について、自ら現地で体験し、調査した結果をまとめた本。 本書のユニークな点は、鈴木氏自身が「あとがき」で「学術的データと個人的体験の双方を、あるいは両者の中間…

行成 薫 『名も無き世界のエンドロール』

小学校時代からの腐れ縁、ドッキリが生き甲斐のマコトと、それにやられてばかりの城田が、ある秘密の意図をもって史上最大の「プロポーズ大作戦」を仕掛けていく様子を描いた小説。小説すばる新人賞受賞作。 2013年初めに出たばかりの本で、当方全然知らなか…

有川 浩 『県庁おもてなし課』

『図書館戦争』などで知られる有川氏が、実在する高知県庁おもてなし課を舞台に、地元の観光振興に奔走する若手県庁職員の奮闘と恋を描いた小説。 当方の地元の高知県が舞台ということで、同僚から進められて読んでみた。著者の有川氏も高知県出身ということ…