Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

長友 佑都 『日本男児』

日本代表不動の左サイドバック、所属元のインテルでもレギュラーに定着した感のある長友選手が自身の半生を記したエッセイ。 唐突だが、海外サッカーに詳しくない方はピンとこないかもしれないが、インテルのレギュラーを張るということはとてつもないことで…

ポール・コリアー 『Wars, Guns, and Votes: Democracy in Dangerous Places』

前著『The Bottom Billion』の2年後に、コリアー氏が同地域における政治的暴力の問題に焦点を絞って世に出したのが本書。前著の内容でいうと、「紛争の罠」とそれを解決するための「軍事介入」「法と憲章」をより詳しく掘り下げた印象がある。 同氏はまず、…

ポール・コリアー 『The Bottom Billion: Why the Poorest Countries Are Failing and What Can Be Done About It』

オックスフォード大の政治経済学者・コリアー教授が「The bottom billion(最底辺の10億人)」の現状と対応策をまとめた本。以前ぱら読みして放っておいたのを、少し時間が出来たのでもう一度じっくり読んでみた。 本書は、現代世界の貧困や紛争を考える上で…

藤井 良弘 『EUの知識 第15版』

上智大学教授の藤井氏によるEUについての基礎知識をコンパクトにまとめた文庫、2009年に発効したリスボン条約にかかるアップデートを含む最新版。 最近仕事でEUの対外政策について調べ物をしているのだが、つい最近まで閣僚理事会と欧州委員会の区別も付いて…

戸部 良一 ほか 『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』

戸部防衛大学校教授ら戦史・組織論の研究者グループによる、先の大戦で示された日本軍の組織特性についての共同研究。タイトルが示すとおり、戦史上の失敗から、現代日本の組織一般にも通じる教訓を導き出す内容。 本書で取り上げられているのは、ノモンハン…

共同通信社社会部編 『沈黙のファイル 「瀬島龍三」とは何だったのか』

山崎豊子『不毛地帯』のモデルとも言われる元大本営作戦参謀・瀬島龍三氏の半生を切り口として、太平洋戦争、シベリア抑留、戦後賠償など戦後日本史の暗部を抉った共同通信社社会部のチームによるルポルタージュ。 戦中の大本営陸軍部作戦部作戦課は、同情報…

保阪 正康 『陸軍省軍務局と日米開戦』

戦前・戦中の陸軍省において国防政策立案・議会交渉・国防思想普及を担った同省軍務局幹部を中心に、開戦前2ヶ月の政府・軍中枢の動向を追った、ノンフィクション作家の保阪氏によるドキュメント。 開戦にあたって、当時の陸海軍が、明確な根拠や冷静な判断…

堀 栄三 『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』

1943年10月から終戦まで大本営陸軍部情報部に勤務、米軍のルソン島上陸や本土決戦計画を的中させるなど名情報参謀として知られた堀氏が、戦後40年経って初めて自身の参謀としての体験を述べた回顧録。 堀氏の経歴も情報参謀の仕事も良く知らないまま読んだ本…