Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー 『新版 荒れ野の40年 ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説』

1985年に当時の西ドイツ大統領ヴァイツゼッカー氏が国会で行った終戦40周年記念演説の全訳。 ドイツと日本の戦後処理の違いは学生時代からの疑問なのだが、改めてこの有名な原稿を読んでみると、歴史と真摯に向き合う「覚悟」の違いに、改めて驚かされる。日…

広河 隆一 『パレスチナ』

ジャーナリストの広河氏がパレスチナ問題の実像を伝えたルポルタージュ。家の本棚に眠っていたもの(1987年版)を取り出してきて読了。 既に新版が出ているが、建国以来のイスラエルとパレスチナの軌跡を知り、パレスチナ問題の本質を掴むうえでは、旧版でも…

川井 かおる 『知識は捨てる!』

民間企業を経て郵政大学校の教官を務めた川井氏が、情報過多、知識過多の現代における生き方を提案する。 「『情報断食』がすべてのひとに、社会のあらゆる場面に、求められるのです」という帯のメッセージにひかれて購入。川井氏の言う「『無言の日』を設定…

宮本 正興、松田 素二 編 『新書アフリカ史』

サブ・サハラアフリカの歴史について日本語の文献を手に取るなら、まずこの本。新書とは思えない600ページの分厚さだが、冗長な記述はほとんどなく、すらすら読める。 「アフリカ社会は、ヨーロッパがイメージした『閉鎖社会』などではなく、地域内部あるい…

斎藤 貴男 『機会不平等』

ジャーナリスト・斎藤氏による、1990年代以降の政府・与党の構造改革路線に対し警鐘を鳴らすルポルタージュ。2000年発行の単行本を文庫化。 小泉政権が登場する前の2000年の時点で、財界や学会の動向や介護・教育・労働の現場をつぶさに調べ警鐘を鳴らした斎…

岡田 尊司 『アスペルガー症候群』

急速に認知されつつあるアスペルガー症候群の症状、要因、対処方法について体系的に解説した新書。著者は精神科医の岡田氏。 特定のこだわりを持ち、対人関係は不器用、というアスペルガー症候群の症状については、ビル・ゲイツやアインシュタインらの例を挙…

西尾 道徳、西尾 敏彦 『図解雑学 農業』

一昨年、農業について一から勉強しようと思い、何気なく書店で手に取ったのがこの本。タイトルに「雑学」と書いてあることだし、じつはあまり内容に期待せずに購入したものの、良い意味で裏切られた。 農業の歴史と形態、主な作物・家畜の品種紹介、水稲や主…

松岡 環 編著 『南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて』

日本や中国の近代史について勉強しているうちに引っかかり、改めて調べてみようと思った「南京大虐殺」。アマゾンで文献を検索するうち、「元兵士102人にインタビューした結果をまとめた」という本書に行き当たった。 日本の市民グループが、当時南京に入っ…

北川 勝彦、高橋 基樹 編著 『アフリカ経済論』

北川・高橋両氏によって編纂されたアフリカ経済の現状と展望についての教科書。「歴史のなかのアフリカ経済」「現代アフリカの産業と社会」「国際経済とアフリカ」「アフリカ経済の課題と展望」の4部構成から成り、既存のアフリカ文献が往々にして経済につ…

白井 早由里 『マクロ開発経済学 対外援助の新潮流』

もとIMFの慶大教授・白井氏が、近年の研究や対外援助の潮流を踏まえ、マクロ経済学上の開発の問題について論点をまとめた本。この分野における近年の研究者や世界の援助機関の考え方について手っ取り早く勉強しようと思えば、日本語の文献の中ではこの本が最…