労働と社会
JA共済総合研究所の濱田氏が、「農福連携」の仕組みと事例を解説した本。 とある地方部の自治体の方から「農福連携」という言葉を聞いて、調べてみようと思って手にとったのがこの本。写真や図表も多数入っていて、分かりやすい構成になっている。 「農福連…
ジャーナリストの大原氏が、「余っている食べ物を、困っている人に」届けるフードバンクの試みについて、米国・日本での取材をもとに紹介する本。 製造や流通の過程で一般小売店には卸せないと判断された食品(中身は問題ないが、梱包していた段ボールの一部…
ジャーナリストの鎌田氏が、原発地帯を直に歩き、住民や自治体が原発を受け入れていった経緯を明らかにする。初版発行は1982年だが、今回の福島原発事故を機に緊急改版されたもの。 これまで何となく知っていた国・事業会社による原発推進攻勢の実態を本書で…
哲学者の内田氏による、昨今の子どもたちの学びからの逃避、若者たちの労働からの逃避について、自身の考えをまとめた本。2005年に三浦展氏が『下流社会』という新書を出してベストセラーになったが、本書はタイトルからしてより刺激的。単に「下流」に転落…
IT業界の報道で有名なジャーナリスト・佐々木氏によるグーグル社についての報告。これも本棚を整理していて出てきた本で、初版は2006年だが、同社のコアビジネスの概要を的確に捉えており参考になる。 163ページの図「グーグルのビジネス構造」はとても分か…
ジャーナリストの大江氏による、農林業や公共交通、商店街の活性化など、全国各地の市民と自治体行政の取り組みを紹介する新書。 大江氏の主張は、冒頭の「はじめに」に集約される:「そもそも公共サービスは、行政が独占して担うものではない。また、あらゆ…
ジャーナリスト・斎藤氏による、1990年代以降の政府・与党の構造改革路線に対し警鐘を鳴らすルポルタージュ。2000年発行の単行本を文庫化。 小泉政権が登場する前の2000年の時点で、財界や学会の動向や介護・教育・労働の現場をつぶさに調べ警鐘を鳴らした斎…
現代の晩婚化・非婚化の要因と実態に切り込み、「婚活」時代の到来を訴えるジャーナリストの白河氏によるルポに、家族社会学者の山田教授による社会学的な分析を加えた新書。 例によって気になったキーワードを幾つか↓ 1.「オットセイ型」社会 : 彼女が結…
NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」「反貧困ネットワーク」の事務局長・湯浅氏による近著。 「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」といった言葉に象徴される現代日本の貧困の現状を明らかにする第1部、そして「反貧困」の概念と取り組みにつ…
2005年1月に自分の働いていたNGO(JACSES)で主催されたシンポジウムのレコードを下敷きに、同シンポジウムのパネリストからの書き下ろし原稿を交えたエッセイ集。タイトルどおり、グローバリゼーションと貿易自由化、多国籍企業と大資本の横暴、地域経済や…
毎日新聞社会部の東海林氏による書き下ろし。大手小売・飲食チェーン店長、日雇い派遣労働に従事する若年層、役所の「水際作戦」に翻弄される生活保護受給者、といった厳しい労働環境・貧困にさらされる人々を描いたルポルタージュ。 国内外の景気減速下、以…
産業界に詳しいジャーナリスト・永井さんによる新刊。揺れ動く近年の「企業の昇進人事」の様子を描くドキュメント。 「日本企業の成果主義・終身雇用が崩れてからも、変わっていない人事システムがある。それは昇進昇格に関するシステムだ」、というパートに…
1999年山口県光市母子殺害事件を、事件直後から今年4月の被告への死刑判決まで、実に9以上にわたって本村洋さんら被害者遺族の戦いを追い続けたジャーナリスト・門田さんによる記録。 本屋で衝動買い、そのまま読み終えてしまいましたが、本を読んで涙したの…
NHKスペシャル『ワーキングプアⅢ 解決への道』(2007年12月16日)の単行本化。 著者によれば、以前このブログでも紹介した『ワーキングプア 日本を蝕む病』を「実態編」として、その「解決編」にあたる本、とのこと。 ワーキングプアの問題への国内外の取り…
ワーキングプア。この言葉がメディアで頻繁に取り上げられるようになったのはいつ頃からでしょうか。2006年に二度にわたってこの問題を取り上げ、高い評価を得たNHKスペシャル取材班によって、2007年に書き下ろされた本。思わず書店で手に取ってしまいました…
ギスギスした、不機嫌な職場-上司や同僚とのコミュニケーションが希薄で、どこかよそよそしい。社員がそれぞれの職務だけに専念し、忙しそうな人に声をかけることができない。「タコツボ」化してしまった現代の職場の「なぜ?」と「どうすれば良いのか?」…
富士通で導入された成果主義が瓦解する過程を同人事部内部からつぶさに記したノンフィクション『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(2004年)、そしてベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか』(2006年)の著者、城さんの新著。自分はどちらも読ん…