Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アーネスト・ヘミングウェイ 『誰がために鐘は鳴る』

20世紀アメリカ文学の巨匠・ヘミングウェイの長編小説。買ったまま未読だったものを休日中に読破。 舞台は1930年代のスペイン内戦。アメリカから来た共和政側の義勇兵・ロバートが、爆破工作の協力者であるゲリラの隠れ家にかくまわれていた女性・マリアと恋…

ローワン・ジェイコブセン 『ハチはなぜ大量死したのか』

2006年秋から2007年春にかけ、北半球から4分の1のミツバチが消えた。CCD(Colony Collapse Disorder、蜂群崩壊症候群)の原因について迫る、米国バーモント州在住のジャーナリスト・ジェイコブセン氏によるノンフィクション。 4つの付録「アフリカ化したミツ…

アルバート・カミュ 『ペスト』

フランスのノーベル文学賞受賞作家・カミュの長編小説。学生の時代に購入しておきっぱなしにしていたものを読破。 ペストに襲われた架空の北アフリカの町を舞台に、主人公の医師リウーをはじめとする町の人々が隔絶された町の中でいかに不条理の象徴たるペス…

塩野 七生 『ローマ亡き後の地中海世界』

『ローマ人の物語』で知られるローマ在住の作家・塩野氏による新著。西ローマ帝国崩壊後の千年間の地中海史を、上・下巻にわたって描きます。 上巻が300ページ強。下巻が400ページ弱。まず、これだけの枚数で1000年間の地中海史を描ききった手腕に素直に拍手…

中田 豊一 『人間性未来論 原型共同体で築きなおす社会』

近代化がもたらす「人間性の喪失と共同体の衰退」について、途上国の共同体が持つ「豊かな人間性」と対比させながら論じるエッセイ。著者は、途上国での開発支援を担うNGO・シャプラニールの代表理事などを務める中田氏。 「援助者の側がまず克服しなくては…

林 俊行 編 『国際協力専門員 技術と人々を結ぶファシリテータたちの軌跡』

JICA(国際協力機構)に所属する海外技術協力の専門家「国際協力専門員」12名によるエッセイ集。彼らが仕事を始めるに至ったきっかけ、技術協力の現場での仕事の内容、同業者に伝えたい「心がけ」について、濃いメッセージが350ページにわたって記されていま…

中谷 巌 『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』

一橋大学名誉教授、小泉構造化改革のブレーンとして知られた中谷氏による「懺悔の書」。同氏は、若き日にハーバード大学に留学、「古きよきアメリカ」の文化と気風に影響を受け、帰国後は日本の構造改革の理論的支柱として活躍。 この本は、資本主義の行き過…

日本経済新聞社 編 『実録・世界金融危機』

日本経済新聞で2008年12月に掲載された特集をベースに大幅に加筆修正された、現行の世界金融危機についての検証本。構成は少々粗いですが、危機の遠因と引き金、米国政府の対応策などについてコンパクトにまとめた、日経ならではの文庫本。危機の全体像を手…

ポール・クルーグマン 『世界大不況からの脱出』

プリンストン大学教授、ニューヨークタイムズ紙コラムニストのクルーグマン氏による新著。初版はアジア通貨危機後に出版され、今回出版された第二版は、2008年のリーマンショック後の危機に対する考察について大幅に加筆されたもの。 クルーグマン氏は、今回…

ポール・クルーグマン 『良い経済学 悪い経済学』

昨年ノーベル経済学賞を受賞、「ニューヨーク・タイムズ」の辛口コラムニストとしても知られる国際経済学者・クルーグマン氏が1990年代前半に公表した論文・エッセイをまとめた文庫本。「出版年が古い」と侮るなかれ。289ページの文章は、世界経済・米国経済…