Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2023-01-01から1年間の記事一覧

井出 穣治 『フィリピン 急成長する若き「大国」』

元IMF職員としてフィリピンに関わった日本銀行の井出氏が、フィリピンの近年の経済・社会について包括的に紹介する新書。 近年(少なくともCOVID-19の発生前まで)アジアの中でも急激な経済発展を遂げていた、かつての「アジアの病人」フィリピン。他のアジ…

大木 毅 『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』

戦史・軍事史事著述家の大木氏が、最新の史料に基づいて第二次大戦中の独ソ戦を解説した新書。 独ソ戦は、スターリンの錯誤、ヒトラーとドイツ軍の楽観により始まった。当初ドイツの電撃戦は成功に見えたが、ソ連軍の抵抗と補給路の延伸より、ドイツ軍は徐々…

アレクサンドル・ソルジェニーツィン 『イワン・デニーソヴィチの一日』

スターリン体制下のソ連強制収容所での一日を描写した、文豪ソルジェニーツィンの処女作。 主人公のシューホフ(イワン・デニーソヴィチ)は、ドイツ軍の捕虜になった咎で強制収容所(ラーゲリ)での生活を余儀なくされる。収容所での生活は著者の実際の経験…

逢坂 冬馬 『同志少女よ、敵を撃て』

第二次大戦中の独ソ戦を舞台に、家族を奪われ復讐心に燃える女性狙撃兵セラフィマの成長と葛藤を描く。 ドイツ兵に家族と古郷を奪われたセラフィマは、狙撃手の過酷な訓練に耐え、戦場で仲間の死を乗り越えながら戦果を重ねる。ソ連軍もドイツ軍と同じように…

ニーアル・ファーガソン 『憎悪の世紀 なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか』

『マネーの進化史』で知られるハーバード大学の歴史学者・ファーガソン氏が、「憎悪」をキーワードとして20世紀の戦争・紛争・暴力の歴史を描いた本。 ファーガソン氏は、20世紀、特に1940年代の初期に特定の地域(中部・東部ヨーロッパ、満州や韓国)で集中…