Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

桃井 和馬 『観光コースでないアフリカ大陸西海岸』

フォトジャーナリストの桃井氏によるアフリカ西海岸10カ国のルポルタージュ。会社の同僚に借りっぱなしにしてあったものを読了。 タイトルを見てあまり期待しないで読み始めたものの(すみません)、アフリカ各国の社会経済、人々の暮らしがさまざまな側面か…

高橋 作太郎 『アメリカ精神の英語』

元東京外語大学副学長の高橋先生による「アメリカ精神を知るため」の英文テクスト集。 高校時代に父親にもらったものをずっと持ち続けておりオバマ大統領の就任式をCNNで見ていてちょうど本棚の隅に視界に入り、文字通り「アメリカ精神を知るため」に、読ん…

クロード・ランズマン 『SHOAH(ショアー)』

ヘブライ語で「絶滅、破滅」を意味する「ショアー」をタイトルに冠するランズマン監督の映画の全テクスト。ナチス・ドイツのホロコーストが主題。映画は、体験者に対するインタビュー記録のみで構成されており、実に9時間半にも及ぶ長さとのこと。 この本は…

ジョン・パーキンス 『エコノミック・ヒットマン』

1970年代に米国コンサルタント会社・メーン社に勤めたパーキンス氏によるノンフィクション。世界銀行やUSAID(米国援助開発庁)が実施する調査・融資案件に携わった経験をもとに、電力・道路・通信などの分不相応なインフラ案件を途上国政府から米国企業に発…

飯倉 晴武 『日本人のしきたり』

正月行事、豆まき、大安吉日、Etc.. 知っているようで案外知らないさまざまな「しきたり」について、「なぜそう決まっているのか」を含めて項目ごとに簡潔に教えてくれる本。 著者は、元宮内庁書陵部主席研究官で奥羽大学文学部教授の飯倉先生。 会社の大先…

綱本 将也、ツジトモ 『GIANT KILLING』

「サッカー監督マンガ」という新しいジャンルを開拓したに違いない、凄いマンガが出てきました。週末にマンガ喫茶であっという間に全巻読破。 イングランド・FAカップで伝説を作ったJリーグ最年少監督・達海猛が、弱小クラブ「ETU(イースト・トーキョー・…

佐高 信 『わたしを変えた百冊の本』

『日本官僚白書』などで知られる評論家・佐高氏が自身の読書遍歴についてつづった本。 佐高さんは大学卒業以来、毎年160冊のペースで本を読み続けていたらしい。1982年に『就職ジャーナル』誌で語られたところによると、「佐高の最大の武器は読書量である」…

真屋 尚生 『保険の知識』

最近、ふと生命保険も自宅の火災保険も障害保険も、何も保険らしい保険に加入していないことに気づき 苦笑、まずはこの新書を手にとって見ました。いつもおなじみ日経文庫。 版を重ねているだけあって、「そもそも保険とは何か」から始まり、各種商品の特徴…

文藝春秋 編 『東大教師が新入生にすすめる本』

本屋でパラ読みしている間につい手元に置きたくなって購入。東大で新入生のためのブックガイドとして1988年から雑誌『UP』に掲載されたアンケート結果を編集したもので、東大の教官から新入生に対してのアツいメッセージを随所に垣間見ることができます。 1…

吉田 秋生 『BANANA FISH』

サリンジャーの小説になぞらえられた謎のドラッグ「バナナフィッシュ」をめぐるサスペンス・コミック。1985年~1994年に「別冊少女コミック」で連載され、1997年に小学館文庫として再度出版。最初に読んだのは大学のサークルの部室でしたが、時間を忘れて一…

C・シャヴャニュー、R・パラン 『タックスヘイブン グローバル経済を動かす闇のシステム』

フランスの経済ジャーナリスト・シャヴァニュー氏とサセックス大学国際関係学部のパラン教授による共著。 知っているようで詳しく知らない「タックスヘイブン」。バミューダ諸島やケイマン諸島、マネーロンダリングや租税忌避、といったキーワードが思い浮か…

高井 伸夫 『3分以内に話はまとめなさい できる人と思われるために』

弁護士の高井氏によるコミュニケーションと話術についての本。タイトルが有名。新書判になっていたのを会社の同期から借りて読んでみました。 1.「最初の3分は、あとの1時間に勝る」 このメッセージは正しいと思う。この本の最初の挿話「10分で社長に営業…

高橋 洋一 『財投改革の経済学』

ロングセラー『さらば財務省!』をはじめ各所で露出著しい元財務官僚・高橋氏による単行本。 財政投融資に関連する一連の改革について経済金融理論からの検証を行った同氏の博士論文がベースになっています。計数やグラフも随所に出てきますが、金融・財政に…

服部 正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』

1965年から6年間ルワンダ中央銀行の総裁(日銀からIMFへの出向中)を務めた服部氏の当時の回顧録、1972年出版。新潮社の雑誌『FORESIGHT』2008年9月号でアジア経済研究所の平野克己氏によって紹介されており思わずアマゾン購入。 服部氏は当時のルワンダ政府…

平林 博 『首脳外交力 首相、あなた自身がメッセージです!』

もと駐印大使・駐仏大使の平林氏による新著。タイトルのとおり、首相およびその周辺による「首脳外交力」の重要性がメッセージ。分量の半分以上が、洞爺湖サミット準備をはじめとする首脳外交を外務省幹部の目線で捉えた平林氏の回想録で占められています。 …

大野 健一、大野 泉 『世界銀行と IMF  内側からみた開発金融機関 』

元IMF(国際通貨基金)エコノミストの大野健一氏と元世界銀行オフィサーの大野泉氏氏による、両機関の組織文化やオペレーションについて「内側」の視点から書かれた数少ない日本語の本。学生時代から時折パラパラ読んでいたものをこのたび読了。 経済金融の…

和氣 邦夫 『ユニセフではたらこう』

ユニセフに長年勤めた国際公務員・和氣氏の回顧録。世界の現状やユニセフのオペレーションについてのテクニカルな事項は少なく、同氏の日常業務や海外での家族同伴生活の気苦労などについて、平易な言葉で描かれています。それはそのまま、「次世代の日本人…

太田 あや 『東大生のノートはかならず美しい』

東大生の「ノート術」を写真たっぷりに紹介するハウツー本。年末年始に実家に帰ったときにひっそりと部屋の隅に置いてあったのを読んでみました。受験生がメインターゲットのはずですが、日々仕事に追われる社会人にとっても「効率的にノートを取る」ための…

湯浅 誠 『反貧困 「すべり台社会」からの脱出』

NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」「反貧困ネットワーク」の事務局長・湯浅氏による近著。 「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」といった言葉に象徴される現代日本の貧困の現状を明らかにする第1部、そして「反貧困」の概念と取り組みにつ…

CNN English Express 編 『オバマ演説集』

2008年の「時の人」バラク・オバマ氏のスピーチ集。大統領選終了後すぐに出版にこぎつけた編集・出版関係者のスピード感に拍手。値段もお手ごろ。 大統領選開票日の勝利演説の様子をCNNで見たが、オバマは本当にスピーチがうまい。テクニックも完璧。内容も…

米原 万里 『不実な美女か 貞淑な醜女か』

あけましておめでとうございます。昨年末はだいぶご無沙汰していましたが、今年は「1日1冊」の目標のもと、もっと頻繁に更新していきたいと思います。 さてこの本。ロシア語通訳・コメンテータ・小説家など多彩な肩書きで知られる米原万里さんのエッセイ。…