Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

前田 充浩 『金融植民地を奪取せよ ジリ貧日本を救う「投資パラダイス」の発想』

前著『国益奪還』で日本のタイド円借款が国際規制の対象となっていった過程を明らかにした前田氏が、現代の新興国のインフラ整備のための日本の開発ファイナンスのあり方を論じた本。 本書の議論の前提は、開発ファイナンスと投資の「ハイパー・サイクル」に…

前田 充浩 『国益奪還』

研究者の前田氏が、OECD(http://blogs.yahoo.co.jp/s061139/34934144.html )において日本のタイド円借款が全面的に規制されるに至った経緯を詳細に綴り、国際的なレジーム形成における日本のあり方を論じる新書。 同氏が、日本では「特に敗北の場合、その…

天木 直人 『さらば外務省! 私は小泉首相と売国官僚を許さない』

元レバノン大使の天木氏が、古巣の外務省と小泉政権を徹底的に告発した本。発行当時に相当話題になっていたのを覚えているが、今になってなぜかパリで手に取る機会があったので読んでみた。 本書は、天木氏がイラク戦争勃発にあたり本省に宛てた、国連決議な…

田丸 公美子 『シモネッタのドラゴン姥桜』

イタリア語通訳の田丸氏が自身の子育て体験を赤裸々?に綴った体験記。ご子息が放任主義ながら開成→東大→弁護士のエリート街道を驀進されたとのことだが、友人関係・恋愛関係まで恐らくすべて実話の情報がこれでもかというほど暴露されており 苦笑、思わず息…

田丸 公美子 『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』

今夏にイタリア旅行を計画していたこともあって、イタリアを70回以上も訪れたという日本屈指のイタリア語通訳・田丸氏のイタリア旅行記を手にとってみた。 まず「シモネッタ」の通り名どおり、イタリア人の恋愛とセックスにまつわるエピソードが満載。1981年…

佐藤 優 『交渉術』

元外交官の佐藤氏が、自身の経験を紐解きつつ、人間の欲望とそれに拠った交渉の技法を明らかにした本。 自身の外交官時代の経験を紹介しつつ、ハニートラップや賄賂、酔い潰しといった「戦術」のあるべき使い方について考えを述べるが、現役外交官ならまだし…

山崎 朋子 『サンダカン八番娼館』

1972年初版の後ベストセラーとして現在も版を重ねる『サンダカン八番娼館』の文庫新装版。山崎氏が天草で出会った元からゆきさんから聞き取った記録『サンダカン八番娼館』、彼女らの足跡を東南アジアにたどった続編『サンダカンの墓』の両方を収録。重いテ…

ビル・エモット、ピーター・タスカ 『日本の選択』

元「Economist」誌東京支局長のエモット氏、日本在住の市場アナリスト・タスカ氏による、日本の進路についての対談集。どちらも英国人というバックグラウンドを反映してか、対談における両者の指摘は、基本的に自由主義と市場主義の思想に沿った、当事者であ…

松井 謙一郎 『パリクラブ 公的債務リスケ交渉の最前線で』

パリクラブは、公的債務(債権者が公的機関)のリスケに関する条件交渉を行う非公式会合で、仏財務省が主催、リスケの方法論などを検討する一般問題会合、個別債務国にかかる情報交換・対応方針決定を行う一般概観会合に加え、債務国からの要請に応じて個別…

柴田 三千雄 『フランス史10講』

フランス近代史の研究者・柴田氏によるフランス史の概観。ガリア、フランク王国の時代から、絶対王政、革命、ナポレオン戦争、ド・ゴールを経て現代に至るまで。高校時代に世界史を習ったことのある人であればすんなり読める。 中世フランスにおいて、シャル…

軍司 泰史 『シラクのフランス』

1995年から1999年にかけて共同通信記者としてパリに駐在した軍司氏による現代フランスの政治・経済・社会を描いたルポルタージュ。欧州統合の試練と大規模スト、核武装と独自外交、エリート達の「一元思考」、コアンビタシオン、移民問題と極右政党、アメリ…

冨樫 義博 『HUNTER×HUNTER』

連載と休載を繰り返すことで知られる、「少年ジャンプ」掲載の伝説のストーリー漫画。先週発売された2011年35・36合併号で1年ぶりに連載再開、併せて単行本29巻が発売された。 少年ゴンが父親のような一流の「ハンター」になることを目指し旅を続けるストー…

田中 嘉文 『シニアに優しい旅のコツ 海外旅行の実践講座』

旅行業界で多くのシニア向け旅行をプロデュースしてきた田中氏による、シニア向け旅行のノウハウをまとめた新書。計画時や旅先での動き方の注意点、あると便利な持ち物リストまで、海外旅行初心者にとっては至れり尽くせりな内容。旅行を計画している方にと…

田丸 公美子 『パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記』

米原万理氏いわく「押しも押されもせぬ大横綱」、日本最強のイタリア語通訳である田丸氏が、通訳としての波乱万丈の体験を綴ったエッセイ。 米原氏の著作(http://blogs.yahoo.co.jp/s061139/21610045.html )の中で壮絶な下ネタ使いとして登場する田丸氏。…