Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

NHK「新シルクロード」プロジェクト 編著 『新・シルクロード 激動の大地をゆく 上』

NHKのドキュメンタリーには、「さすが」と思わされる珠玉の作品が幾つもあります。最近では、今年はじめに完結した「沸騰都市」が秀逸。 今回紹介するのは、2007年に放映された「新シルクロード 激動の大地をゆく」の単行本の上巻。中央アジア、コーカサ…

ダウド・ハリ 『ダルフールの通訳 ジェノサイドの目撃者』

紛争真っ只中のダルフール地域において、CNNやBBCの取材クルーの通訳兼コーディネータとして活躍、世界に同地域の惨状を知らせる活動を続けるダウド・ハリ氏の回顧録。出身の村が政府系民兵に略奪されたエピソード、取材同行中に政府軍に身柄を拘束さ…

岩村 暢子 『変わる家族 変わる食卓 真実に破壊されるマーケティング常識』

広告代理店アサツーディ・ケイのプロジェクトを通じ、1960年以降生まれの主婦を対象として日本の家庭の食卓について調査を続けている岩村氏による同調査の報告。調査の対象となった食卓の数は2331。 『美味しんぼ』で紹介されていて思わず買ってしまった本で…

小菅 正夫 ほか 『戦う動物園 旭山動物園と到津の森公園の物語』

先月、うわさの旭山動物園に行ってきました。冬に行くのは初めてだったのですが、オオカミの遠吠えを生まれて初めて聞いたり、散歩するペンギンを間近で見たり、新しい発見や驚きがたくさんありました。雪がしんしんと降るなか、ペンギンやホッキョクグマは…

榊原 英資 『間違いだらけの経済政策』

元財務官で早大教授の榊原氏による新著。マクロ経済理論の限界や、ミクロの構造改革、農林水産業の振興、資源エネルギー分野での政府の役割強化、円高志向への転換などの必要性について、同氏の主張を簡潔にまとめた本。 1.マクロ経済理論の限界 榊原氏は…

瀬川 拓郎 『アイヌの歴史 海と宝のノマド』

先月北海道に旅行したときに、旭川市博物館で見つけた面白そうな本。思わず手にとってしまいました。 「アイヌ」と聞いて、「自然と共生しエコロジカルな社会を形成していた北海道の先住民」というイメージを自然と思い浮かべる人は、自分を含めて多いはず。…

山田 昌弘、白河 桃子 『「婚活」時代』

現代の晩婚化・非婚化の要因と実態に切り込み、「婚活」時代の到来を訴えるジャーナリストの白河氏によるルポに、家族社会学者の山田教授による社会学的な分析を加えた新書。 例によって気になったキーワードを幾つか↓ 1.「オットセイ型」社会 : 彼女が結…

竹中 平蔵 『闘う経済学 未来をつくる〔公共政策論〕入門』

慶應の竹中教授による「政策と経済学の隙間を埋める」試みとして書かれた本。郵政民営化担当大臣等の公職にあった当時の回顧録としても読める内容。 「経済学の理論・知見をいかに実際の政策に生かすか」、竹中氏が長年突き詰め実践してこられた考えの一端を…