Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

F・X・ヴェルシャヴ 『フランサフリック アフリカを食いものにするフランス』

フランスとアフリカ諸国の裏の関係「フランサフリック」について、その経緯とメカニズムを克明に描き出した、フランスの市民活動家による告発の本。 フランスとアフリカ各国の強いつながりの一つが軍事協定/軍事協力協定であり(http://blogs.yahoo.co.jp/s…

平野 千果子 『フランス植民地主義の歴史 奴隷制廃止から植民地帝国の崩壊まで』

フランスにおける奴隷制の廃止と植民地主義の推進が、「文明化」の名の下に同時に行われた矛盾について論じた本。 平野氏によれば、帝国主義時代のフランスにおける「文明化」という言葉は、市民革命の理念の伝播であり、様々な思想的意味合いを許容するもの…

ミュリエル・ジョリヴェ 『移民と現代フランス フランスは「住めば都」か』

社会学者のジョリヴェ氏が、フランスにおける移民の実状と苦悩を、多くのインタビューや取材をもとに描き出した本。 数々のインタビューを終えて、ジョリヴェ氏は、仏国内の移民への批判に対し、「移民はフランス人のパンをむさぼり食ってなどいない」「闇で…

薬師院 仁志 『日本とフランス 二つの民主主義』

社会学者の薬師院氏が、日本における民主主義の議論を深めるべく、アメリカ型自由主義ではない、フランス型の平等主義に基づく民主主義の実状を紹介する新書。 本書の前半部は、日本の戦後民主主義が抱えてきた矛盾を明らかにすることに力点が置かれる。欧米…

山口 昌子 『原発大国フランスからの警告』

元産經新聞のパリ支局長である山口氏が、福島第一原発後のフランスメディアの反応や、フランスの原子力事業と当局による安全面の取り組みについて紹介する新書。 フランス原子力安全院のトップによる「原発事故は決して排除できない。これがわれわれのあらゆ…

齊藤 誠 『原発危機の経済学 社会科学者として考えたこと』

マクロ経済学者の齊藤氏が、福島第一原発の事故をきっかけとして、経済学・経営学の視点から原発事業の妥当性を論じた本。 同氏の問題意識は、たとえ新規原発の建設を止めたとしても、既存原発の維持管理、運転終了後の解体、放射性廃棄物の処理・貯蔵などで…