Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

哲学・思想

岩田 靖夫 『ヨーロッパ思想入門』

哲学研究者の岩田氏が、ヨーロッパ思想の源流であるギリシア思想とヘブライ信仰、それらが近現代の西洋哲学に与えた影響について解説した新書。 岩田氏は、ヨーロッパ思想は「ギリシアの思想」と「ヘブライの信仰」という2つの礎石から成っているとし、前者…

『新約聖書』

イエス・キリストやその使途たちの言行がまとめられた、『旧約聖書』と並ぶキリスト教の正典。その一部(福音書)はイスラム教の啓典でもある。 例によって新約聖書の構成を大まかに述べると、以下のとおり: 1 福音書:マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる…

『旧約聖書』

古代イスラエル人・ユダヤ人に伝わった神話や思想がまとめられた、言わずと知れたユダヤ教・キリスト教の正典。その一部はイスラム教の啓典にもなっている。 旧約聖書は、大まかに以下のような構成からなっている(今回読んだ新改訳に沿って分類した。ユダヤ…

薬師院 仁志 『日本とフランス 二つの民主主義』

社会学者の薬師院氏が、日本における民主主義の議論を深めるべく、アメリカ型自由主義ではない、フランス型の平等主義に基づく民主主義の実状を紹介する新書。 本書の前半部は、日本の戦後民主主義が抱えてきた矛盾を明らかにすることに力点が置かれる。欧米…

E・H・カー 『歴史とは何か』

外交官・歴史家のカー氏が1961年にケンブリッジ大学で行った講演録。 「歴史とは何か」という大きな問いに、冒頭から明確な答えが出されている:「歴史とは(事実の取捨選択を行う)歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽き…

レフ・トルストイ 『人生論』

ロシアが誇る19世紀の文豪・トルストイが、生命や死について彼自身の考えをつづった論文。『戦争と平和』を読み始める前に読破。彼が晩年、人間が持つ理性の力をかたくななまでに信じていたことが分かります。 1.「人間の生命の根本的な矛盾」 トルストイ…

ジャック・アタリ 『21世紀の歴史 未来の人類から見た世界』

ミッテラン元フランス大統領の補佐官を若干38歳にして務めたジャック・アタリ氏による21世紀の歴史を描写する野心的なエッセイ。原著出版は2006年ですが、昨年当選したサルコジ大統領は本書に触発されて「アタリ政策委員会」を設置、フランスの国家政策と世…

エドワード・W・サイード 『知識人とは何か』

『オリエンタリズム』で知られるパレスチナが生んだ比較文学教授にして中東問題における重要な発言者、E,W.サイードが1993年に行ったBBCリース講演の単行本化。 サイードならではの文学や文化比較、中東・米国の情勢や過去の思想化・哲学などの多様な事象に…

マハトマ・ガンジー 『ガンジー自伝』

あまりにも有名なインドの思想家・政治家、マハトマ・ガンジーによる自伝。ガンジーが生前に自ら「自伝」として執筆した二冊の本『自叙伝』『南アフリカにおける非服従運動』をまとめた英語版を邦訳。 以前から気になっていたガンジーの思想の深遠を探るべく…