Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

水・環境

クライブ・ポンティング 『緑の世界史』

英国の歴史学者・ポンティング氏が、文明の起こりから現代に至る人類史を、自然環境や資源エネルギーの利用など「環境」の視点から解説する本。 本書は、かつて高度な祭祀文明を築きながら森林破壊によって衰退したイースター島についての挿話から始まる。お…

谷口 正次 『入門・資源危機 国益と地球益のジレンマ』

元太平洋セメント専務取締役、資源・環境ジャーナリストの谷口氏が、資源を見る上でのポイントや各鉱物資源の特徴、地球環境問題との関係等について概説した本。 冒頭で、資源問題を考える際のポイントを、①資源の枯渇性(掘ればなくなる)、②資源の地政学的…

玉真 俊彦 『水ビジネスの教科書 水サービスを発展させる官民協働と業務改善の進め方』

NJS経営工学研究所などで上下水道の技術・経営に長く関わってきた玉真氏が、世界の水問題や国内外の水ビジネスの現状と展望を、一般向けに平易に解説した本。 上下水道の分野では、長年にわたって地方自治体が大きな存在感を見せているが、近年国内でも民営…

M・バーロウ、T・クラーク 『「水」戦争の世紀』

カナダの環境活動家が、世界の水問題の現状と水道事業民営化の課題についてまとめた本。日本語番は、原著を新書形式に妙訳したものだが、この分野の概要を知る上で最低限のデータや事実が網羅されている。 著者らは、「水はニーズではなく人権」と言い切る。…

中村 靖彦 『ウォーター・ビジネス』

元NHK記者の中村氏が、水分野における国内外の民間部門の動向を取材したルポルタージュ。 筆者自身も述べているようにこの業界の雄である多くの多国籍企業への取材が困難だったことも関連していると思うが、この分野を総ざらいする上では、本書の情報量はや…

チャールズ・R・C・シェパード 『サンゴ礁の自然誌』

サンゴ礁とサンゴを含む生態系について、サンゴ礁学(生物学と地質学がベース)からの一般向け解説。原著発行が1983年と古いが、サンゴ礁について包括的に概説した類書はあまりない。(白黒が多いのが残念だが)写真がたくさん収録されている点もお勧め。 「…

大泰司 紀之、本間 浩昭 『カラー版 知床・北方四島―流氷が育む自然遺産』

知床半島・北方四島の自然研究/取材の第一人者によって描かれた、同地域の自然と生態系についての報告。写真も多数収録されており、ページをめくっているだけで楽しい。 当方も本書に収録されている地図をまじまじと眺めて改めて認識したが、「北半球で最も…

ローワン・ジェイコブセン 『ハチはなぜ大量死したのか』

2006年秋から2007年春にかけ、北半球から4分の1のミツバチが消えた。CCD(Colony Collapse Disorder、蜂群崩壊症候群)の原因について迫る、米国バーモント州在住のジャーナリスト・ジェイコブセン氏によるノンフィクション。 4つの付録「アフリカ化したミツ…

アラン・ワイズマン 『人類が消えた世界』

TIME誌とAmazonで2007年ベストノンフィクションに選ばれた、「人類が感染症等によって突然絶滅したと仮定し、人類が消えた世界をシミュレーション」する環境読本。 作者は、コロンビアの「地球最大規模のエコ実験」と呼ばれるコロンビアの自給自足集落「ガビ…