Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

森田 まさのり 『ROOKIES』

 90年代後半の少年ジャンプ連載時代にリアルタイムで読んでいて、同誌のなかで毎週楽しみにしていたマンガのひとつ。いまどきありえない熱血漢の国語教師・川藤を中心に、不良の掃き溜めとなっていた二子玉川学園高校野球部が、たった2名からの復活、10人で始まった練習試合、そして最後には甲子園出場を果たす学園ストーリー。

 テレ朝でちょうどドラマが始まったこともあり、久しぶりに読んでみたくなり、同じ時期に発刊されていた文庫本を全巻オトナ買いしてしまいました。集英社の販売戦略にみごとに引っかかった格好 苦笑。

 野球に興味もなかった不良軍団が川藤に突き動かされて野球に没頭し、中学時代エースの安仁屋がトラウマを乗り越えてエースとして復活、張り巡らされた伏線が解消されて、才能が開花したナインが努力とともに一試合一試合成長していく姿は、伝説のバスケマンガ「スラムダンク」にも重なるところがあり、読んでいてとにかく痛快。甲子園出場に向かってひた走るナイン、そして川藤の姿に、素直に元気をもらえます。
 学生時代、リアルタイムに読んでいたときとは、また違う発見があって楽しいもの。日々の業務にながされてついつい「アツさ」を忘れがちな現代の社会人にも、ぜひ一度手にとってもらいたいです。

 また、「キャプテン翼」のような宇宙人系の必殺技が出てくるわけでもなく、野球そのものに対する描写は至極まっとうで、リアリティあふれる描写が魅力です。最終巻、御子柴の9回逆転満塁ホームランの展開には、さすがに「マンガだなあ」と思わされてしまいますが・・・笑

                      (集英社文庫 全14巻、2007年~2008年)