Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

大前 研一 『下克上の時代を生き抜く 即戦力の磨き方』

 大前さんの本は、わりによくチェックしています。新しいアイデアを得るというよりは、どちらかというと自己啓発というか、自分を発奮させるために。現状に甘えずに、「もうちょっと自分がんばれるのでは?」と思うときに背中をぽんっと押してくれる。また、さすがに経済グローバル化すすむ世界のホワイトカラーの実態をよくご存知なだけに、日本のビジネスパーソンに対しての強烈なメッセージ・危機感は、自省することを忘れがちな日本人に必要な発奮材料を与えてくれます。

 この本は2006年に発刊されたPHPビジネス新書の001番として発行された本で、「世界に通用するビジネスパーソンの条件」について主に書かれた本です。主に印象に残ったフレーズを幾つか。

スペシャリストやジェネラリストではなく、環境や条件が変わってもたくましく成果を出し続けられる真のプロフェッショナルが求められている。
⇒うちの会社の職員なんかまさにそうであるべき。

・語学力、財務力、問題解決力、この3つが鍵。
⇒語学力は、まだまだ。財務力については、勝間さんのいう「金融リテラシー」ともかぶる部分があると思うが、現在勉強中。

・いまの日本人は、ものを考えるということがまったくといっていいほどできていない。
⇒ごもっとも。いくらメディア論をぶったとしても、肝心の情報の受け手である読者がメディアリテラシーをもっていなければ無意味。

・つまるところ、勉強というものは、自分の人生を今よりもっと幸せにするためにあるもの 
⇒ごもっとも。そんなふうに、小学校でも先生がメッセージを伝えればいい。

・1年間のテーマを決め、本を書けるところまで勉強している 
⇒すぐには無理だが、おいおいそんなペースでやれれば良い。

・業務処理だけこなすホワイトカラーの年収は、世界基準で見ればせいぜい200万円。 
⇒ぜひ200万円以上のホワイトカラーになりたいもの。

・欧米のビジネススクールでは、「日本人の生徒が入るとクラス全体のレベルが下がる」といわれている。 
 ⇒いわゆる「ディスカッション力」の欠如か。自分も含め、これから海外や多国籍企業で働く人たちにとっては必須の力だろう。「データ」と「事実」に裏打ちされた意見を持ち、発信すること。

                                 (PHP研究所、2006年発行)