Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

シルビア・レーケン 『内向型人間のための人生戦略大全』

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 ドイツのコミュニケションコーチ・セミナー講師のレーケン氏が、「内向型人間」が生活や仕事をうまく乗り切って行くための実践的な方法を紹介する本。
 
 レーケン氏は「内向的人間」を、他人との接触からエネルギーを得る外向型人間とは対照的に、他人と接触するときにエネルギーを使い1人でいるときに充電する人たち、と紹介する。彼らの強みと弱みを明らかにし、それを踏まえた仕事とプライベートでの有効なコミュニケーションなどの方法を解説していく。内向型人間が苦手なスピーチや会議を乗り切るコツなども指南されている。全編を通して、無理なく1人でいられる時間を作ること、内向型の強みを生かして周囲の信頼を築くこと、外向型人間からも学ぶことなどの大切さが強調される。

 自他ともに内向型人間(本書のチェックリストでも証明済み)の当方にとっては参考になる本だった。上記のようなコツもさることながら(それ自体は、たとえばスピーチは①自分らしく②メッセージを明確に③聴衆を意識すべしといったオーソドックスなもの)、世界は外向型人間だけでは成り立たない、内向型人間のもつ強みが活かせる場面はたくさんある、というメッセージに励まされた。無理して外向的になるのではなく、内向型の強みを生かしながら、ときに外向型から学ぶ。コミュニケーション云々が喧伝される昨今、この本を読んで心が軽くなる人はたくさんいるのではと思う。

(原著:Sylvia Lohken "Leise Menschen-Starke Wirkung" 2012. GABAL Verlag GmbH, Offenbach
 邦訳:岡本 朋子 訳、2014年、CCCメディアハウス)

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