Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

ムーギー・キム 『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』

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 投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティと多様な職種を経験したキム氏が、世界のエリートの働き方の極意をまとめた本。

 東洋経済オンラインの人気コラム「グローバルエリートは見た!の書籍化。2013年末をもって連載は終わってしまったが、ビジネスネタのみならず政治や芸能まで舌鋒鋭く切り込んだこのコラム、当時はいつも楽しみにしていたのを覚えている。本書ではこうした政治や芸能ネタは省かれ、あくまでビジネス書としての体裁が整えられている。とはいえ、同ウェブ連載の目玉?だったグローバル・エリートの恋愛・結婚事情に関するコラムは、本書でも「プライベート編」といしてしっかり収録されている。

 世界を股にかけて桁違いの金額の案件を動かし、数千万円、ときには億以上の年収を挙げる「グローバル・エリート」たち。とはいえ本書によれば、その仕事の極意は、一般的なビジネス本で言われているようなシンプルかつ明快なものが多い。「若手時代は目の前の仕事に全力投球(そうして周囲の信頼を掴み、大きな仕事を任されるようになる」「(コンサルタントとして成功する人の要素は)少しのIQと桁外れの愛嬌」「『バカ正直』と『透明性』で相手の信頼を勝ち取る」「『与太話』の鬼になる(ふと聞いたプライベートの話をデータベース化して活用する)」など。「早寝・早起き・即リプライ」なんていう章もある。アイデア自体は奇抜なものでなくても、強い意志と精神力をもってこれらを実行し続けられるかどうかが、本物のグローバル・エリートになるための必要条件なのかもしれない。

東洋経済新報社、2013年)

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