ヤマザキ マリ 『テルマエ・ロマエ』
漫画家・ヤマザキ氏が、現代日本にタイムスリップしてしまった古代ローマ帝国の浴場技師・ルシウスの活躍を描くコメディー漫画。飛行機の中で観た映画版がけっこう面白かったので、原本も買って読んでみた。
ローマの伝統と誇りを何より大切にするお固い技師ルシウスが、富士山の浴場壁画やシャンプーハット、フルーツ牛乳や浴場スタンプラリーなど、古代ローマにはない数々のアイデアと技術に感銘を受け、直後のタイムスリップでローマに戻りそのアイデアを実践して好評を得る、というのがおきまりの展開。おきまりとはわかっていても、シャンプーハットやフルーツ牛乳にルシウスがいちいち考え込んでしまう様子に、思わず笑ってしまう。
『ローマ人の物語』で五賢帝時代のローマの様子に触れた直後だったため、ルシウスが「勤勉で繊細な天才肌」のハドリアヌス帝の無茶な依頼に困惑するくだりや、一定期間の軍務を終えてローマ市民となったゲルマン民族の浴場マナーに憤るシーンなど、ふむふむとうなずけるシーンにもたびたび遭遇した。
4巻からは、ラテン語に通じた現代日本の芸者をヒロインに迎えての長編に移行している。この展開には賛否両論あるようで、人気が出るとそう簡単には打ち切るのは難しいだろうが、この手の漫画は、あまりダラダラ続くよりも設定自体の着想(古代ローマの浴場技師と現代日本)がフレッシュなうちにささっと完結するほうが良いのでは、と個人的には思う。
ローマの伝統と誇りを何より大切にするお固い技師ルシウスが、富士山の浴場壁画やシャンプーハット、フルーツ牛乳や浴場スタンプラリーなど、古代ローマにはない数々のアイデアと技術に感銘を受け、直後のタイムスリップでローマに戻りそのアイデアを実践して好評を得る、というのがおきまりの展開。おきまりとはわかっていても、シャンプーハットやフルーツ牛乳にルシウスがいちいち考え込んでしまう様子に、思わず笑ってしまう。
『ローマ人の物語』で五賢帝時代のローマの様子に触れた直後だったため、ルシウスが「勤勉で繊細な天才肌」のハドリアヌス帝の無茶な依頼に困惑するくだりや、一定期間の軍務を終えてローマ市民となったゲルマン民族の浴場マナーに憤るシーンなど、ふむふむとうなずけるシーンにもたびたび遭遇した。
4巻からは、ラテン語に通じた現代日本の芸者をヒロインに迎えての長編に移行している。この展開には賛否両論あるようで、人気が出るとそう簡単には打ち切るのは難しいだろうが、この手の漫画は、あまりダラダラ続くよりも設定自体の着想(古代ローマの浴場技師と現代日本)がフレッシュなうちにささっと完結するほうが良いのでは、と個人的には思う。
(エンターブレイン、2012年9月現在5巻まで発行)