Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

国連教育科学文化機関 『World Heritage Sites: A Complete Guide to 911 UNESCO World Heritage Sites』

 ひょんなことから入手した、ユネスコ発行の世界遺産ガイド。重たい紙質で856ページ、持ち運ぶのは難儀だが、中身はとてもいい。2010年までに登録された911世界遺産すべてを、それぞれ半ページ~2ページを割いて概説、主なものには写真が付いている。写真をぱらぱら眺めているだけで、どんな自然・史跡が世界遺産として登録されているのか全体像がぼんやり頭に入るし、気になった遺産があれば解説をじっくり読んで勉強することもできる。
 自称世界遺産マニアの当方は、これまでアンコールワットやボロブドゥール、ヴェルサイユ宮殿などメジャーどころを訪れてきたものの、本書に掲載されている写真を見て、思わずいくつか今後の旅行先リストに付け加えてしまった:
 
ドブロブニク旧市街(クロアチア
 http://allabout.co.jp/gm/gc/19945/
ジャイアンツ・コーズウェイ(北アイルランド
 http://4travel.jp/overseas/area/europe/united_kingdom/belfast/travelogue/10309943/
黄龍風景区(中国四川省
 http://www.guilintravel.jp/tour/xwchengdu/2007824144019.htm
ケルン大聖堂(ドイツ)
 http://blue-coffin.at.webry.info/200706/article_15.html
キナバル自然公園(マレーシア)
 http://acyamabiko.sakura.ne.jp/USER/yama_rep/2007/kinabaru/index.html
ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群(チリ)
 http://world.99ing.net/Entry/314/

 本書は911世界遺産を登録時系列順に並べて紹介しているが、ガラパゴス諸島エクアドル)、ピラミッド(エジプト)、モンサンミッシェル(フランス)など誰が見ても超A級の遺産が並ぶ制度当初に比べて、最近登録の世界遺産は、ネタ切れというか、かなり意見の割れるものが多くなってきている印象がある。例えば2007年に登録されたシドニーオペラハウス(オーストラリア)は、確かに登録基準である「Human Creative Genious」ではあるとは思うが、人類の「遺産」として判断するにはあまりにも早すぎたのではなかろうか。
 
シドニーオペラハウス(オーストラリア)
 http://plaza.rakuten.co.jp/hotstuff1976/diary/200811250000/

 他方、個人的な登録対象希望として、人類に忘れがたい重大な教訓をもたらしたという意味で、チェルノブイリ原発と隣接するプリピャチ廃墟、消滅の危機にあるアラル海、の2つを推しておきたい(そうすると、チェルノブイリ福島第一原発も併せて検討すべき、という声が聞こえてきそうだが、少なくとも原発の安定化と廃炉の見通しが経つまではペンディング)。



(Firefly Books Ltd.、2010年)

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