斉藤 里恵 『筆談ホステス』
1歳で聴力を失いながら、筆談を駆使して銀座のホステスとして活躍する斉藤氏の自伝+コミュニケーション術。
(あまり一般化しすぎるのも良くないと思うが、)視覚や聴覚を失い特定の分野に才を発揮する方は多いと聞くが、斉藤氏もその一人のような気がする。聴力を持たないからこそ、相手がどのようなことを考えているか、どのような情報発信が効果的なのかを徹底して追求され、表面的な印象に惑わされず本質を付くコミュニケーションをされている。
第7章「『筆談ホステス』銀座接客体験実話8」は特に印象深い。たとえば会社での出世競争について妻にチクチク言われている男性に「これを奥様に書いて渡してください」「少し止まると書いて『歩』く。着実に前に進んでいます」と書いたメモを渡す。仕事が多忙で20歳の妻とギクシャクしている男性から妻へのプレゼントに添える言葉を相談されて、「おれは助けてもらわないと生きていけない自信がある!」と『ONE PIECE』の主人公の台詞を引用する。
「お客様の立場に立って、求められているものを提供する」ために勉強を怠らない姿勢。(ホステスの世界ではベテランなのかもしれないが)まだ25歳の斉藤氏の生き方・仕事に対する姿勢に、学ぶことは多い。
(あまり一般化しすぎるのも良くないと思うが、)視覚や聴覚を失い特定の分野に才を発揮する方は多いと聞くが、斉藤氏もその一人のような気がする。聴力を持たないからこそ、相手がどのようなことを考えているか、どのような情報発信が効果的なのかを徹底して追求され、表面的な印象に惑わされず本質を付くコミュニケーションをされている。
第7章「『筆談ホステス』銀座接客体験実話8」は特に印象深い。たとえば会社での出世競争について妻にチクチク言われている男性に「これを奥様に書いて渡してください」「少し止まると書いて『歩』く。着実に前に進んでいます」と書いたメモを渡す。仕事が多忙で20歳の妻とギクシャクしている男性から妻へのプレゼントに添える言葉を相談されて、「おれは助けてもらわないと生きていけない自信がある!」と『ONE PIECE』の主人公の台詞を引用する。
「お客様の立場に立って、求められているものを提供する」ために勉強を怠らない姿勢。(ホステスの世界ではベテランなのかもしれないが)まだ25歳の斉藤氏の生き方・仕事に対する姿勢に、学ぶことは多い。
(光文社、2009年)