Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

和田 純夫 『一般教養としての物理学入門』

 こないだNewton誌の量子論特集を読んでいて、ふと「そもそも物理学の全体像を知らないなあ」と思って手に取ったのがこの本。和田氏が東大教養学部の文科系学生向けに行っている講義に基づくものだけあって、ニュートン力学から相対性理論、場の量子論まで、自分のような高校時代に物理を履修していなかった人間にも分かりやすく数式を最小限に、簡潔な日本語で教えてくれる。
 個人的に興味深かったのは、クォークを含む素粒子を簡単に取り上げた「12-7 粒子の分類とクォーク」、これまでの物理学で未解決の問題(現時点で確認されている4つの力:核力、弱い相互作用、電磁気力、重力のうち前者3つと重力とを統一的に説明できる理論の構築など)に触れた「12-10 残った問題」。2001年発行ということもあってか、どちらのパートの記述もかなりざっくりとしたもの。しかしながら興味のとっかかりとしては十分。さっそく色んなウェブサイトを開いて「素粒子については一体どこまでわかっているのか」「超ひも理論とは何ぞや」などと調べだしてみるものの、基礎知識がないせいかまともに取り組もうと思うとちょっとお手上げ状態。良い導入本があればぜひどなたか教えていただきたい 笑。


 (岩波書店、2001年)


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