立花 隆 『ぼくはこんな本を読んできた 立花式読書論、読書術、書斎論』
②印象に残ったパート
立花氏は、「古典よりも最新レポートの中に拡大集積する知の総体」のなかで、「過去完了の古典が知の総体を包括することができるわけがない。むしろ真の過去の知の総体は、常に最新のレポートの中にしかない、というほうが本当だろうと思う」という。
83-85ページの「『実戦』に役立つ14か条」は、この本のいわばまとめの部分にあたる。そのうち一文:「大学で得た知識など、いかほどのものでもない。社会人になってから獲得し、蓄積していく知識の量と質、特に20代、30代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。」
速読を是とする立花氏だが、「必要な部分に眼がとまったら、そこは意識を集中してちゃんと読むんですよ。それと僕は、読むときに徹底的に本を汚すんです。ページを折るとか、鉛筆で書き込みをするとか。付箋をつけるときも、色を変えたりとか。」
立花氏は、「古典よりも最新レポートの中に拡大集積する知の総体」のなかで、「過去完了の古典が知の総体を包括することができるわけがない。むしろ真の過去の知の総体は、常に最新のレポートの中にしかない、というほうが本当だろうと思う」という。
83-85ページの「『実戦』に役立つ14か条」は、この本のいわばまとめの部分にあたる。そのうち一文:「大学で得た知識など、いかほどのものでもない。社会人になってから獲得し、蓄積していく知識の量と質、特に20代、30代のそれが、その人のその後の人生にとって決定的に重要である。若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ。」
速読を是とする立花氏だが、「必要な部分に眼がとまったら、そこは意識を集中してちゃんと読むんですよ。それと僕は、読むときに徹底的に本を汚すんです。ページを折るとか、鉛筆で書き込みをするとか。付箋をつけるときも、色を変えたりとか。」
③読後の感想
知的好奇心、というのは、食欲や睡眠欲、性欲と同じように人間として当たり前の欲望といわれる。立花氏の立ち位置はともかくとして、その情報収集・分析論、そして最大の情報源である「本」への接し方については、素直に学ぶところは多い。かの佐藤優氏は、外務省初の情報収集・分析チームを率いた時代、若手に教養を身につけるための方法の教科書として本書を推薦していた、という。
この本を読んで、案外、同氏の読書術と自分のそれとの間に共通点が多いことにも気づいた。たとえば、「本を読むときにノートを取らない(そんな時間があったら類書を5冊は読める)」、上述の「読むときは徹底的に本を汚す」、など。自分の場合は自らに課した「一日一冊ルール」がそうさせているのだが、きっと世の「速読読書家」の人々はきっと同じようなスタイルを持っているのではないか。
知的好奇心、というのは、食欲や睡眠欲、性欲と同じように人間として当たり前の欲望といわれる。立花氏の立ち位置はともかくとして、その情報収集・分析論、そして最大の情報源である「本」への接し方については、素直に学ぶところは多い。かの佐藤優氏は、外務省初の情報収集・分析チームを率いた時代、若手に教養を身につけるための方法の教科書として本書を推薦していた、という。
この本を読んで、案外、同氏の読書術と自分のそれとの間に共通点が多いことにも気づいた。たとえば、「本を読むときにノートを取らない(そんな時間があったら類書を5冊は読める)」、上述の「読むときは徹底的に本を汚す」、など。自分の場合は自らに課した「一日一冊ルール」がそうさせているのだが、きっと世の「速読読書家」の人々はきっと同じようなスタイルを持っているのではないか。
(1999年発行、文春文庫)