Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

満田 拓也 『MAJOR』

①本の紹介
 「週刊少年サンデー」最長連載記録更新中、現代野球漫画の金字塔。悲劇のプロ野球選手を父親に持つ少年・茂野吾郎が、リトルや中学・高校、メジャーで活躍していく様子を描き出す。

②印象に残ったパート
 宿敵・ギブソンとの壮絶な投げ合いを終えてモチベーションを無くしていたメジャー2年目、投球恐怖症(イップス)を乗り越え、復活のマウンドで自己最速の102マイル/hをたたき出す吾郎。「そこに動機なんていらないじゃないか。俺達はただ野球が好きだから走り続けるだけなんだ!」(69巻)
 メジャー二年目のシーズン終了後、幼馴染の清水薫に不器用ながらもストレートなプロポーズ。「お前のペースで、いつかその気になった時でいい。生涯、茂野吾郎とバッテリーを組んでくれ」(09年10月現在単行本未収録)
 
③読後の感想
 連載開始から15年。その間、ひたすら自分の信念に対してまっすぐに、野球一筋に生き続けてきた吾郎。父の死、肩の故障、サウスポー転向、眉村への敗北、メジャーへの挑戦、W杯の死闘、投球恐怖症、そして腕の血行障害。自身の左腕一本で、日々のたゆまぬ努力を糧に、数々の障害を乗り越えてきた。自分も小学生から中学生、高校生、大学生、社会人になるにしたがって色んな変化があったが、「少年サンデー」誌上で代わることのない吾郎の姿を見るにつけ、自分に対して素直に、まっすぐに生きることの大切さを再確認させてもらってきたと思う(大げさ?)。
 これまでも各章が終わるたびに連載終了か、と噂されてきたものの、そのたびに期待を裏切らない新展開で読者を惹きつけてきた本作。先月「サンデー」誌上で始まった新章、吾郎メジャー9年目のシーズンにも、期待大。

(2009年12月時点で単行本74巻まで発行、小学館


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