米原 万里 『打ちのめされるようなすごい本』
①本の紹介
②印象に残ったパート
本書で紹介されている本のうち、思わず読みたくなった(読み返したくなった)本は以下のとおり。
・ゴルバチョフ『ゴルバチョフ回想録』
・ジョルジュ『異星人伝説 20世紀を創ったハンガリー人』
・丸谷才一『笹まくら』
・松岡環編著『南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて』
・斎藤美奈子『趣味は読書』『読者は踊る』
・ラジンスキー『真説ラスプーチン』『赤いツァーリ』
・藤原正彦『国家の品格』
・河合香織『セックスボランティア』
・マイルズ『アルジャジーラ 報道の戦争』
・田丸久美子『パーネ・アモーレ』
また、ゴルバチョフやエリツィンからも指名の入った半ば伝説的な通訳者として知られた同氏自身の外国語勉強法を振り返るパートで、通訳という仕事を続けるにあたって基礎となっているのは「ふたつの言葉で多読乱読してきたおかげ」、「『通訳になるにはどのくらいの語学力が必要なのでしょうか』と尋ねられるたびに、私は自信満々に答えている。小説を楽しめるぐらいの語学力ですね、と。そして、さらに付け加える。外国語だけでなく、日本語でも、と。」と言う。
②印象に残ったパート
本書で紹介されている本のうち、思わず読みたくなった(読み返したくなった)本は以下のとおり。
・ゴルバチョフ『ゴルバチョフ回想録』
・ジョルジュ『異星人伝説 20世紀を創ったハンガリー人』
・丸谷才一『笹まくら』
・松岡環編著『南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて』
・斎藤美奈子『趣味は読書』『読者は踊る』
・ラジンスキー『真説ラスプーチン』『赤いツァーリ』
・藤原正彦『国家の品格』
・河合香織『セックスボランティア』
・マイルズ『アルジャジーラ 報道の戦争』
・田丸久美子『パーネ・アモーレ』
また、ゴルバチョフやエリツィンからも指名の入った半ば伝説的な通訳者として知られた同氏自身の外国語勉強法を振り返るパートで、通訳という仕事を続けるにあたって基礎となっているのは「ふたつの言葉で多読乱読してきたおかげ」、「『通訳になるにはどのくらいの語学力が必要なのでしょうか』と尋ねられるたびに、私は自信満々に答えている。小説を楽しめるぐらいの語学力ですね、と。そして、さらに付け加える。外国語だけでなく、日本語でも、と。」と言う。
③読後の感想
一冊一冊を真摯に読み込み、コミカルながらも冷静に批評を加えていく、米原氏らしさが随所に現れる書評集。その根底に流れるのは、権力を笠にきた喧伝や誇張への懐疑や、人間や社会の本質に対する果てしない好奇心、一日一日にユーモアを取り入れようとするエンターテイナー精神。ご存命であれば、ぜひ一度お会いしてみたかった。
また、個人的には最近、翻訳業・通訳業にも関心が出てきているのだが、同氏も「ふたつの言葉で多読乱読してきたおかげ」と言うとおり、日々の小さな努力を積み重ねておられたことを知り(しかもそれを楽しんでやっておられたのだと思うが)、楽しみ苦しみながら英・仏・日の多読乱読を重ねている現在の自分自身の姿に思いを至らせ、少し勇気付けられる思いがした。
一冊一冊を真摯に読み込み、コミカルながらも冷静に批評を加えていく、米原氏らしさが随所に現れる書評集。その根底に流れるのは、権力を笠にきた喧伝や誇張への懐疑や、人間や社会の本質に対する果てしない好奇心、一日一日にユーモアを取り入れようとするエンターテイナー精神。ご存命であれば、ぜひ一度お会いしてみたかった。
また、個人的には最近、翻訳業・通訳業にも関心が出てきているのだが、同氏も「ふたつの言葉で多読乱読してきたおかげ」と言うとおり、日々の小さな努力を積み重ねておられたことを知り(しかもそれを楽しんでやっておられたのだと思うが)、楽しみ苦しみながら英・仏・日の多読乱読を重ねている現在の自分自身の姿に思いを至らせ、少し勇気付けられる思いがした。
(文春文庫、2009年5月発行)