浦沢 直樹 『20世紀少年/21世紀少年』
『MONSTER』や『PLUTO』で知られる浦沢氏が、自伝的要素も絡めつつ、1970年代に主人公の少年たちが作った「よげんの書」どおりに翻弄される世界と混乱に立ち向かう主人公たちを描いたサスペンス長編。『MONSTER』よりは現実性が薄れ、カリスマ宗教指導者「ともだち」や細菌兵器によるパンデミック、都心を荒らす巨大ロボットなど、漫画ならではの空想世界を存分に展開しつつ、物語は進行する。
有名なだけに「読もう読もう」と思っていて読んでいなかったものの、週末に漫画喫茶で一気読み。
読後感は、巨大なエンターテイメントを体感しきった後の開放感と脱力感。おそらく浦沢氏の著作の中でも一番「自分の描きたいと思うものを思う存分に描きまくった」作品なのではないだろうか。
伏線や枝葉は数え切れないほどあるものの、全編を貫く主題は、主人公・ケンヂや姪のカンナ、その仲間たちによる「抵抗」のプロセス。フクベエの真の動機は一体何だったのか、二人目の「ともだち」にいつどこで入れ替わったのか、最後まで気になる点はあるものの、そうした疑問を抑え込んで、この巨大エンターテイメントを楽しみきった人が勝ち。
有名なだけに「読もう読もう」と思っていて読んでいなかったものの、週末に漫画喫茶で一気読み。
読後感は、巨大なエンターテイメントを体感しきった後の開放感と脱力感。おそらく浦沢氏の著作の中でも一番「自分の描きたいと思うものを思う存分に描きまくった」作品なのではないだろうか。
伏線や枝葉は数え切れないほどあるものの、全編を貫く主題は、主人公・ケンヂや姪のカンナ、その仲間たちによる「抵抗」のプロセス。フクベエの真の動機は一体何だったのか、二人目の「ともだち」にいつどこで入れ替わったのか、最後まで気になる点はあるものの、そうした疑問を抑え込んで、この巨大エンターテイメントを楽しみきった人が勝ち。