Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

堀之内 朗、武内 浩二 編著 『債券取引の知識』

 債券取引の基礎知識について凝縮された日経文庫、第二版。第一版の著者である堀之内氏が「まえがき」で述べているように、ありそうでない「債券に関する簡単な入門書」になっています。
 自分も債券市場関連の案件に仕事でかかわっているので、今さらながら基礎から勉強すべく、だいぶまえに購入、線を引き引きじっくり読んでいたところなのでご紹介。

・債券の種類:固定利付債、変動利付債、割引債、各種外国債Etc.
・IRRの概念と計算手法
・債権投資の基礎:所有期間利回りとデュレーション長期金利との関係
・債券の管理と決済、会計と税務
・各国債券市場の概観
・債券相場の変動要因:金融政策、景気循環や物価動向といった経済ファンダメンタルズ、為替・株式市場の動向、債券市場内での需給要因など

 日本を含むアジア証券市場においては、一般的に見て株式市場よりも債券市場の発達が遅れてきました。ただし年金基金などの機関投資家によるFixed Incomeの需要増大、発行体サイドの資金調達手段の多様化志向Etc.、金融商品としての債券の重要性は高まりつつあります。
 金融機関の新入社員や金融を勉強している学生、個人投資家として債券運用に関心のある方々に特におすすめできる本です。872円のなかに、必要なエッセンスがしっかり詰まっています。
 
                      (日本経済新聞社、2003年第2版発行)

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