エズラ・F・ヴォーゲル 『アジア四小龍 いかにして今日を築いたか』
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者、ハーバード大学教授(当時)による東アジア新興国(シンガポール、香港、韓国、台湾)の工業化プロセスについての分析。1991年の出版からはや17年が経過しましたが、今読んでみてもやはり興味深い内容となっています。
最近課のなかで新書の回し読みがはやっており 笑、会社の先輩から借りて帰りのバスの中で読了。
最近課のなかで新書の回し読みがはやっており 笑、会社の先輩から借りて帰りのバスの中で読了。
・台湾の工業化の成功の背景は?
⇒①政治的安定、②インフレの制圧と農業政策の成功、③産業基盤と人定資源。日本が植民地時代に産業インフラを築いていた他、米国等で学んでいた経済・工学のテクノクラートが戦後の台湾政府の経済成長政策を支えた。また「農村復興委員会」にみられる農業生産の向上を重視する一連の制度・政策は、農民の家計に余裕と貯蓄率の向上をもたらしていた。
⇒①政治的安定、②インフレの制圧と農業政策の成功、③産業基盤と人定資源。日本が植民地時代に産業インフラを築いていた他、米国等で学んでいた経済・工学のテクノクラートが戦後の台湾政府の経済成長政策を支えた。また「農村復興委員会」にみられる農業生産の向上を重視する一連の制度・政策は、農民の家計に余裕と貯蓄率の向上をもたらしていた。
・韓国の工業化の成功の背景は?
⇒①統一の緊急性、②強い人的資源、③日本との関係、④生産性の高い農業。日本による占領と朝鮮戦争は、韓国の政府と人民に強い危機意識を持たせた。先鋭的な民族意識と旺盛な活力。韓国における労働期間は、高度成長期間中、日本も達成しえなかったレベル、週60時間に達した。また日本との経済的・人的な結びつきは韓国の経済発展にプラスの影響をもたらす一方、韓国人にとっての日本人観は「尊敬と憎しみ」という言葉で象徴される複雑なもの。
⇒①統一の緊急性、②強い人的資源、③日本との関係、④生産性の高い農業。日本による占領と朝鮮戦争は、韓国の政府と人民に強い危機意識を持たせた。先鋭的な民族意識と旺盛な活力。韓国における労働期間は、高度成長期間中、日本も達成しえなかったレベル、週60時間に達した。また日本との経済的・人的な結びつきは韓国の経済発展にプラスの影響をもたらす一方、韓国人にとっての日本人観は「尊敬と憎しみ」という言葉で象徴される複雑なもの。
2008年現在の今となっては、これら四つの国・地域はもはや紛れもない「先進国」の一員たろうとしています。
本書で分析されているような成功要因・背景が現時点にも通じるものかどうか、についてはもちろん留保がつくでしょう。しかしいずれにしても、本書が今後の東アジアの展望を見据えるうえでの参考情報として引き続き有用であることに変わりはありません。
本書で分析されているような成功要因・背景が現時点にも通じるものかどうか、についてはもちろん留保がつくでしょう。しかしいずれにしても、本書が今後の東アジアの展望を見据えるうえでの参考情報として引き続き有用であることに変わりはありません。