奥田 英信 『ASEANの金融システム 直接投資と開発金融』
「1997年のアジア経済危機以来、その妥当性が問われている「外資主導工業化」と「金融自由化政策」を中核としたASEAN型開発戦略を、発展の歴史・経営構造の分析・危機の発生と今後の展望の3面から分析。
章立ては以下のとおり。
第1部 ASEAN型金融発展の構造:外資主導型工業化と金融自由化政策、タイとフィリピンの2カ国をケーススタディとして。
第2部 ASEAN型金融発展と金融機関経営:各国の地場商業銀行の経営活動に着目したミクロ分析。
第3部 アジア経済危機とASEAN型金融発展の展望:第1部と第2部から開発金融の政策的含意を汲み取る。
章立ては以下のとおり。
第1部 ASEAN型金融発展の構造:外資主導型工業化と金融自由化政策、タイとフィリピンの2カ国をケーススタディとして。
第2部 ASEAN型金融発展と金融機関経営:各国の地場商業銀行の経営活動に着目したミクロ分析。
第3部 アジア経済危機とASEAN型金融発展の展望:第1部と第2部から開発金融の政策的含意を汲み取る。
少なくともアジア金融危機が起こるまで、タイ・インドネシアといった先発アセアン諸国の金融セクターは、外資主導による輸出産業発展のための外国金融市場からの資金調達を容易にする各種金融自由化政策を特徴として成り立っていました。
アジア金融危機によってそのマイナス面が露呈し、学術的な分析対象として更なる注目を集め始めたわけですが、この本は奥田先生がアジア金融危機以前から、10年にわたって積み重ねてきた「アジアにおける金融セクターと経済開発との関連性を明示的に示した数少ない」分析となっています。
また地場金融機関についてのミクロデータを収集し実証分析を試みている点も、読者に新鮮な視点を与えてくれます。
アジア金融危機によってそのマイナス面が露呈し、学術的な分析対象として更なる注目を集め始めたわけですが、この本は奥田先生がアジア金融危機以前から、10年にわたって積み重ねてきた「アジアにおける金融セクターと経済開発との関連性を明示的に示した数少ない」分析となっています。
また地場金融機関についてのミクロデータを収集し実証分析を試みている点も、読者に新鮮な視点を与えてくれます。
『開発金融論』と同じく一般向けでの本ではないようには思いますが 苦笑、少なくともアセアン諸国の経済開発・経済分析に携わる方にとっては一読の価値はあると思います。
とくに255ページ以降、おもにフィリピン・タイの2国の比較実証分析から導き出されるアジア危機の教訓-工業化のスピードに国内金融システムの発展度が追いつくような政策・制度設計が重要-の部分は必読かと思います。鍵となる制度設計の方向性は、以下のとおり。
とくに255ページ以降、おもにフィリピン・タイの2国の比較実証分析から導き出されるアジア危機の教訓-工業化のスピードに国内金融システムの発展度が追いつくような政策・制度設計が重要-の部分は必読かと思います。鍵となる制度設計の方向性は、以下のとおり。
(2000年発行、東洋経済新報社)