Foomin Paradise (読書ブログ)

経済や歴史、フィクションを中心に読んでいます。500冊までもう少し。

ディビッド・スティルマン、ロニ・ゴードン 『The Ultimate French Review and Practice』

 米国において一般的に用いられている仏語文法の教材。昨年末から少しずつ進めていたが、この週末にようやく最後までたどり着いた。
 B5判の350ページ強に、仏文法の解説と付随する練習問題(例えば接続法だけで約500問)がびっしり詰まって、かなりやり応えがある。アマゾンのレビューでもかなり好評なようだが、男性名詞・女性名詞の区別の仕方の詳細など、日本語の教本では「とにかく単語と一緒に暗記すべし」等として省かれがちな部分についても丁寧に説明してくれており、且つたっぷりの練習問題で手を動かすうちに、難しい文法でも自然と理解が深まっていくのが分かる。また、互いの言語学的距離の近さから、英語と比較しながら説明されると、結構すんなり頭の中に入ってくる(英語に自信のない方は、これとは別に日本語の教本を手元に置いて、互いを適宜見比べるようにすると格段に理解が深まると思う)。この分厚さで値段も1000円強と、コストパフォーマンスも最強。
 練習問題でまじめに手を動かすとどんなに急いでも計100時間は費やす必要があるが、そのぶん最後まで行き着いたときの爽快感はかなりのもの。既に理解が完璧なところは大胆に飛ばしたり、理解が今いちなところは時間が経ってから再度トライするなど、各々の習熟度に合わせて色々な利用方法が可能。外の教室に通いながら仏語を勉強されている方でも、復習用の副読本として本書を活用されると、習熟度は格段に増すと思う。本書をやり終えたからと言っていきなり仏語がペラペラになるほど語学の道は甘くないが、それでも本書を一通りこなせば、仏文法についての知識はひととおり「身に付いた」と言えるようになること間違いなし。

(1999、Passport Books)

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