ハン・ウォンチェ 『脱北者』
北朝鮮から中国への脱出を図った北朝鮮の技術者・ハン氏が、はじめて強制送還されてから三度目の脱北を果たすまでの体験を記したエッセイ。村上龍氏が『半島を出よ』を執筆するきっかけの一つが、本書を読んだことだったという。
北朝鮮で優秀な技術者として働いていたハン氏の一家は、父が朝鮮戦争直後に越南したこと等による身分差別に耐えかね、親戚の縁を頼って中国に脱出した。生活が軌道に乗り始めたころ、中国公安の手に捕まり北朝鮮に送還され、収監される。待ち受けていたのは、絶え間ない虐待と、壮絶な強制労働。機会を見て再度脱北するも、再度送還されてしまう。収容された警察終結所での生活は地獄そのものだった。その後3度目の脱北を果たし、ようやく家族と再会する。しかし、本稿を書き終え韓国への亡命を果たす直前、中国公安に捕まり三度送還され、拷問の末獄死したという。
北朝鮮で優秀な技術者として働いていたハン氏の一家は、父が朝鮮戦争直後に越南したこと等による身分差別に耐えかね、親戚の縁を頼って中国に脱出した。生活が軌道に乗り始めたころ、中国公安の手に捕まり北朝鮮に送還され、収監される。待ち受けていたのは、絶え間ない虐待と、壮絶な強制労働。機会を見て再度脱北するも、再度送還されてしまう。収容された警察終結所での生活は地獄そのものだった。その後3度目の脱北を果たし、ようやく家族と再会する。しかし、本稿を書き終え韓国への亡命を果たす直前、中国公安に捕まり三度送還され、拷問の末獄死したという。
(邦訳:イー・サンハ訳、晩聲社、2002年)