ポール・R・シーリィ 『あなたもいままでの10倍速く本が読める 常識を覆す速読術「フォトリーディング」』

　今流行りの「フォトリーディング」手法の解説本。1行ずつ読んでいくのではなく、見開きのページを眼でスキャンしていくフォトリーディングは、「本を読む」という作業の常識を覆してくれる。自分も公式セミナー（http://www.lskk.jp/kouza/photo/1.html
）を受講してみたが、読書を楽しむのでなくビジネスライクな情報収集プロセスだと捉えれば、確かに効果があると思う。薄い新書であれば、要旨を掴むだけであればものの数分もかからない。
　個人的に一番の肝だと思うのは「本を読む目的を明確にする」というところ。言われてみれば当たり前のことではあるが、ただ漫然と読むのではなく「その本からどんな情報を得たいのか」を明確にし必要な内容を取捨選択しながら読んでいくだけで、時間を相当節約できる。あとはその目的に応じて、リーディングの方法を柔軟に変えていけばよい。読もうと思って読む時間がとれない書籍や文書の山に悩まされている方におススメ。

（邦訳：神田　正典　訳、フォレスト出版、2001年
　原著：Paul R. Scheele "The Photo Reading Whole Mind System" 1999, Learning Strategies Corporation）